東洋医学

気血

今回は「気血」についての記事です。

お悩みの症状を気血の変動として観察する事が大事という事を随証療法についての記事にも書きました。

では、気血の変動の「気血」とは何でしょうか。

気血

東洋医学的についての記事にあるように、「気血」も陰陽に分けて考える事が出来ます。

まずは、「」とは何でしょうか?

よくある質問の「気ってなに?」の答えにはこう書きました。

A.東洋医学の事を説明する上で欠かせない「気」の存在。「気を補います」と急に言われてもなんだか、ぽかーんとなってしまいますもんね。東洋医学的には、気は「この世を構成する存在全て」と考えています。でも、そんな風に難しく考えなくても何となく皆さん「気」の存在は意識出来てます。「なんか元気ないね。」「気を使いすぎて疲れた。」「気が利く人だ~」などなど・・・。普段から結構「気」という言葉は使ってます。東洋医学で言ってる「気」は、その「気」と思ってもらって差し支えありません。この「気」は決して数値で表せるものではないはずです。ただそれでも、元気がないのは分かるし、気を使って疲れる感覚もあります。​日常生活の中の様々な出来事、トラブルは気の流れに多大な影響を与えます。そして、お悩みの症状として、お体に現れます。「ストレスで胃に穴が開く」なんて、わかりやすい例ですね。そういう時に、気を動かしやすい鍼灸術は、お悩み解決のお手伝いが出来るんです。

「気」の正体は私にはわかりません。目で見たり、触って確認出来るものでもありません。ですが、みなさん何となく感じられていると思っています

形になっていないものと考えると、気は陰陽で言うと、陽の性質を持っている事になります。

では「血(けつ)」はどうでしょうか。

わかりやすいように「血液」をイメージして頂いても良いのですが、実際はそうではありません。「血(けつ)」とは、東洋医学独特の表現です。気が集まり、目に見えたり形になったりしているものという風に捉えて頂けるとわかりやすいかも知れません。

つまり、血は陰陽で考えると、陰の性質を持っている事になります。

では、もう少し具体的に「気の病」「血の病」という形で考えてみます。

気の病

目に見えないし、形にもなっていない。ですが「病」として捉える事が出来ます。まさに「原因がハッキリしない病」です。未病治の記事の中で、肩こりを例に「主観を大事にする」というお話を書きました。そこまで硬く凝り固まっていなくても、肩こりの症状を訴える人はたくさんいらっしゃいます。これはまさに気の病による肩こりです。

他にも

  • 何となく体が重い
  • 寝つきが悪い
  • 何ともなってないけど痛みやシビレがある

等々…

これらはまさに「気のせい」です。

「気のせい」というと大した事なさそうなイメージを持たれるかも知れませんが、そんな事はございません。東洋医学では、病院で「気のせい」と言われてしまうようなお悩みにも対応出来るのです。

血の病

では、血の病はどうでしょうか。

気の病と違うのは、こちらは触れたり、目で確認出来たりと、形になっている病になります。例えば、打撲で出来た青あざだったり、蕁麻疹肩や腰の凝り固まっている所がわかりやすいかと思います。

器質的な変化を伴っているものを血の病と考えるので、例えば子宮内膜症子宮筋腫などの体の中の問題も血の病として捉えられます。病院で検査をしても、ハッキリと異常が見つかるような状態になっている事が多いです。

気が巡れば血も巡る

東洋医学では「気が巡れば、血も巡る」と言われています。

気は血を作り、そして巡らせる作用も持っています。気の巡りが悪くなり、「気の病」を起こし、そのまま気の滞りを抱えたままで過ごしているとやがて「血の病」に変化していく事もあります

こうならない為にも、「気の病」の段階、「気になる」「気のせい」と言われる段階でお体を診る事はとても重要な事です。(未病治)とは言え、「気の病だからすぐに治る」、「血の病だからなかなか治らない」というものでもありません。気の病でも、長い期間お悩みになっている症状や、体質的に気の病を起こしやすい人もいます。

血の病でも、青あざや打撲で腫れているような急性の物だったら、その日の内にすーっと消えてしまう事もあります。あくまで病をどのように捉えるかが重要になります。

鍼は気を動かし、灸は血を動かす

気の病なのか、血の病なのかを、四診を使って十分に捉えられたら、あとは実際に治療をしていきます。鍼をする事によって気が十分に動けば、気の作用によって血も動きます。

しかし、それだけでは足りない時に、お灸を使って血を動かします

例え同じようなお悩みで来院された方でも、鍼だけで良くなる方もいれば、お灸も一緒にやる必要がある方もいます。気を動かす事に重きを置いて鍼をするので、必ずしも鍼が皮膚の中に入っている必要はありません

お灸に関しても、院内でするお灸は血が動けば良いので熱さを我慢する必要はありません。

セルフケアとして家でお灸をお願いする時も、出来るだけわかりやすく血の変動が出ているツボをご提案しています。

ご自分で血の変動を捉えられるようになると、ある程度の不調はお灸で対応出来るようになるかと思います。

まとめ

「気」と「血(けつ)」の説明から、それぞれの病の捉え方、治療の仕方を書いてきました。

気の病」という考え方が出来ると、「こんな悩みも相談出来るんだ」と、気付く事が出来ます。

気になる」症状、どうぞ何でもご相談下さい。

気と血を動かす鍼灸術で、お悩みにお応えします。

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