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東洋医学

「気(き)」と「血(けつ)」とは何か? 病院ではわからない「不調の正体」を知るための基礎知識。

検査をしても異常はない。でも、確かに体はつらい……」
「周りからは『気のせい』と言われるけれど、自分では無視できない違和感がある」
こうした「言葉にしにくい不調」を抱えている時、東洋医学ではお体の中で何が起きていると考えるのでしょうか。
その鍵を握るのが、「気(き)」と「血(けつ)」という二つの概念の存在です。
お体を一つの「自然の風景」に例えてお話した記事があります。

その風景を隅々まで潤し、あなたの中心にある「生命力(大木)」を育てるために欠かせないのが「気(き)」と「血(けつ)」の存在です。
この二つの巡りが整うことで、私たちの心と体は初めて「心地よい状態」を保つことができます。
この記事では、専門用語をできるだけ使わずに、気血があなたをどう支えているのかを紐解いていきましょう。

「気」は水の勢い、「血」は水そのもの

まずはイメージがしやすいように、あなたという一つの風景(心身)の中を流れるものを、こう想像してみてください。

  • 「気(き)」は、大地を押し流す「水の勢い」です。 目には見えませんが、水を先へ先へと押し進めるエネルギーそのものです。
  • 「血(けつ)」は、大地を潤す「水そのもの」です。 栄養や潤いを含んだ、形のある物質としての存在です。

この二つが手を取り合うことで、初めてお体という土壌はふっくらと潤い、生命力という大きな木が、たわわな果実(人生の楽しみ)を実らせることができるのです。
「気のせい」と言われる不調は、決してあなたの思い過ごしではありません。 
お体の中の「水の勢い」が少しだけ道に迷い、景色がバランスを崩しているという、大切なサインなのです。

この記事では、形のない「気」と形のある「血」がどのようにあなたを支えているのか、そしてその巡りをどうやって整えていくのかを、詳しく紐解いていきましょう。

「気(き)」とは何か? ── 形はないけれど、誰もが感じているもの

東洋医学を語る上で欠かせない「気」ですが、その正体は目に見えるものでも、直接触れられるものでもありません。 
しかし私たちは、日常の中で無意識にその存在を「感覚」として受け取っています。

  • 「あの人は元気(気がある)だね」
  • を使いすぎて疲れた(気が減った)」
  • 「あの人はが利く(気が動いている)」

このように、数値には表せなくても、私たちの生命活動を支える「目に見えないエネルギー」そのものが「気」なのです。
陰陽で言えば、活発に動く「陽」の性質を持っており、お体を温めたり、巡りを動かしたりする役割を担っています。

「血(けつ)」とは何か? ── エネルギーが形になったもの

一方の「血(けつ)」は、単なる血液のことだけを指すのではありません。
東洋医学では、「気が集まり、目に見えたり形になったりしたもの」を「血」と捉えます。
お体を維持するための栄養や潤いそのもののような存在です。
陰陽では、静かに蓄えられる「陰」の性質に分類されます。

つまり、あなたという存在は、この「目に見えないエネルギー(気)」と「形のある物質(血)」が手を取り合うことで、今日も生かされているのです。

「気のせい」は、お体からの立派なSOSです

この「気」と「血」の違いを理解すると、病院で原因不明と言われる不調の理由が見えてきます。

  • 気の病(形のない不調): 触っても筋肉がガチガチではないのに本人は「肩がこる」と感じたり、検査は正常なのに「体が重だるい」と感じる状態です。これはまさに「気のせい」ですが、東洋医学では「エネルギーの流れの乱れ」という立派な病として扱います。
  • 血の病(形のある不調): 打撲の青あざ、実際にかたく凝り固まった筋肉、あるいは数値に表れるような物理的な変化を伴うものです。

「気が巡れば、血も巡る」と言われるように、形のないエネルギー(気)の滞りを放置していると、やがて形のある不調(血)へと変化してしまいます。

この気血の状態を把握する為に行うのが「四診」です。

鍼は「水の勢い」を整え、灸は「水そのもの」を補う

ここまでのお話を、もっと直感的にイメージするために、もう一度「水」に例えて考えてみましょう。

  • 「気」は、水を先へ押し流す「勢い」です。
  • 「血」は、そこを流れる「水そのもの」です。

勢い(気)が弱まれば水(血)は澱んで汚れてしまいます。
逆に、勢いが強すぎて水が一部に偏れば、他の部分が乾いて冷えてしまいます。

当院では、一鍼ごとにあなたの脈を診て、この「勢い(気)」の乱れを読み取り、整えていきます。

  • 鍼(はり): 主に「気(勢い)」を動かします。 エネルギーを整えることが目的なので、皮膚にそっと触れるだけでも十分に巡りは変わり始めます。
  • お灸(おきゅう): 主に「血(水そのもの)」を動かします。 不足している潤いを補い、冷え切って固まった場所をじんわりと溶かして巡らせます。

すべては、あなたという人間(一つの自然)を隅々まで潤し、内側から湧き上がる生命力を育てるため。
原因のわからない「気になる不調」は、お体が「巡りを整えてほしい」と願っているサインです。

その声を、一緒に聴いていきましょう。

当院でよくご相談頂くお悩み

  • お顔のお悩み
    お顔の様々なお悩みに関してまとめました。美容鍼ではなく、通常の治療で対応出来るものもございます。
  • 不妊のお悩み
    不妊や妊活のお悩みに関して、当院ではどのように考えているかをまとめました。
  • むずむず脚症候群(レストレスレッグス症候群)
    あまり聞きなれないかも知れません。実はこの症状に私自身悩まされています。どういった症状の事を指すのか、私が感じる自覚症状踏まえてまとめています。
  • 食欲・お通じ・睡眠のお悩み
    日常生活を快適に過ごす上で『食欲・便通・睡眠』は、とても大切なものです。自然治癒力と密接な関係があるので、どんな症状で来院された方にもお尋ねする項目です。
  • 心の病(うつ病、精神疾患)
    「心の病」と言っても、「適応障害」や「躁うつ病」など病名がつくものだけではありません。東洋医学の『心身一如』という考え方を踏まえてまとめています。
  • 肩こり・腰痛
    肩こり・腰痛のお悩みは程度の違いはあれ、非常に多いです。東洋医学の視点ではどのように捉えるのかをまとめています。
  • 自律神経のお悩み
    具体的な症状を挙げきれない程、人によって症状の出方が様々なのが自律神経失調症です。東洋医学の視点でお体を診る事が大事になってきます。
  • 生理(月経)のお悩み
    一番のお悩みにはならないが、少なからず不快な思いをしている…という方が非常に多い印象を受けます。東洋医学の視点でどのように捉えるのかをまとめています。
  • 頭痛のお悩み
    一定の条件で出るタイプのものから 常に頭を締め付けられているような感覚のものまで様々あります。東洋医学的の視点から頭痛を考えてみます。

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