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治療について

鍼灸って何回通えばいいの? 根本からお体を整える「土壌づくり」のお話。

鍼灸って、何回くらい通えばいいんですか?

1回受ければ、パッと良くなりますか?

初めて来院される方から、よくこのような質問をいただきます。
つらい症状を抱えている時、「魔法みたいに一瞬で悩みが消えてほしい」と思うのは、とても自然なことです。

ですが、正直にお話ししますね。
当院には、一瞬ですべてを解決してしまうような「魔法」はありません。
それは、私が大切にしているのが、一時的な痛みをごまかすのではなく、あなたのお体そのものを根本から整えていくことだからです。
これをお体の話として説明すると少し難しくなってしまうので、ひとつ「自然の風景」に例えてお話しさせてください。

あなたのお体は、ひとつの豊かな「土壌(大地)」です。
そして、その大地にどっしりと根を張る一本の「大きな木」。
これは、あなたが本来持っている「生命力(自然治癒力)」だと想像してみてください。
この土壌と、そこに流れる水、そして生命力という大木。
これらすべてが調和して存在している風景そのものが、心と体をひとつに捉えた「あなたという人間(一つの自然)」です。

たとえ土壌の環境が理想的ではなく、多少の雑草(症状)が生えていたとしても、中心にある「生命力という大木」が生き生きと、力強く根を張っていれば、あなたは自分らしく輝き続けることができます。

当院が行うのは、単に雑草を抜くことではありません。
表面に見えている雑草(症状)だけを、強い力で無理やり引き抜くことはできるかもしれません。
でも、土そのものがカチカチに固まっていたり、栄養が足りずに枯れ果てていたりしたらどうでしょうか?
せっかく雑草を抜いても、またすぐに新しい雑草が顔を出してしまいますよね。
時間をかけて土を耕し、水路を掃除して、あなたの生命力という木をさらに太く、丈夫に育て直すことなのです。
しっかりと根付いた生命力の大木には、やがて「人生の楽しみ」という豊かな果実が、たわわに実るようになります。

そんな状態を目指すためには、お体と「丁寧な対話」を重ねるための時間が必要だと考えています。

同じ「腰痛」という雑草でも、土の下(お体)の状態は人それぞれです

これを先ほどの自然の風景に当てはめてみると、表面に見えているのは「腰痛」という名の生い茂った雑草(症状)ですが、その下にある「土壌」(お体という土台)や「水の巡り」(気血)で起きているトラブルは、実に様々だからです。
例えば、あなたのお体(土壌)は今、こんな状態になっていませんか?

  • 「水が足りずに、ひび割れた土」のようなお体(虚): 全身を潤すエネルギーや水の流れが弱々しく、栄養が土全体に行き渡っていない状態です。カサカサに乾いた土には、一度に大量の水を撒いてもすぐには染み込みません。じわじわと時間をかけて、土をふっくらと戻していく「潤いを補う時間」が必要です。
  • 「大きな岩が水路を塞いでいる」ようなお体(邪・実): 冷えやストレスといった大きな岩(邪)が、エネルギーの通り道である水路(経絡)を塞いでしまっている状態です。せき止められた場所では水があふれて氾濫し、本来届いてほしい部分に水が行かずにお体に負担をかけています。この場合はまず、その岩を優しく取り除き、水の勢いを「ちょうどいい」状態になだめてあげることが先決です。

このように「なぜ不調という雑草が生えてしまったのか」という土壌の状態が違えば、当然、土の耕し方や水の整え方も変わってきます。
もし、1回だけの強い刺激(魔法)で、表面に見えている雑草だけを無理やり引き抜いたとしても、土壌が荒れたまま、あるいは岩が埋まったままであれば、またすぐに新しい雑草が顔を出してしまいます
一鍼ごとに脈やお腹を確認する「四診(ししん)」は、いわば今のあなたの土壌が何を欲し、水の流れがどう変化したのかを聴き取るための、丁寧な対話なのです。

雑草を抜き、岩をどかし、水の量を整える。
この「根本から育てるプロセス」を積み重ねることで、あなたの土壌の力(自然治癒力)という根っこがしっかりと張り、少々の季節の変化やストレスでは揺らがない丈夫なお体が作られていくのです。

想像してみてください。
もしお体の中に不調という雑草が茂り、巡りの水路が岩で塞がれていたらどうなるでしょうか?
本来なら、「生命力という大木」に届くはずの栄養やエネルギーが、すべて雑草に吸い取られてしまいます。
すると、木は細くなり、あなたが本来咲かせたいはずの花や、実らせたい「果実」にまで栄養が回りません。

お体という「自然の風景」をまるごと愛するために

ここまで不調を「雑草」に例えてお話ししてきましたが、実は、東洋医学の視点で考える本当の健やかさとは「雑草が一本も生えていない状態」のことではありません。

想像してみてください。
大木だけがあり、一本も草が生えていない地面よりも、多少の草花が混じり合っている庭の方が、自然で豊かな景色に見えませんか?
お体もそれと同じです。

季節の変わり目にふと重だるさを感じたり、忙しい時に少し腰が痛んだり……。
そんな「雑草(症状)」が少し顔を出したとしても、それ以上にあなたという「生命力という大木」がどっしりと根を張り、土壌が豊かであれば、何ら心配することはないのです。
もしお体の一部に痛みや違和感が出たとしても、それをただ「辛いもの」「取り除かなければならない敵」と思わないでほしいのです。
それは、お体があなたに送ってくれている「今は少しゆっくり休もうね」「季節が変わる準備をしようか」という大切なサイン。
そんな小さなサインに気づき、「ああ、今自分の体と向き合えているな」と認められること。
それ自体が、「生命力という大木」が本来の感度を取り戻し、根を張ろうと動き出している証拠です。

世の中には、生い茂った雑草(症状)を一瞬で消し去る「除草剤」のような強い薬剤や、人工的な栄養を注ぎ込んで、本来の姿とは違う形へ「品種改良」するような方法もたくさんあります。
どうしても今すぐ痛みを取りたい時や、緊急を要する時には、そうした強い力が助けになることも確かにあるでしょう。

しかし、知っておいてほしいのは、それはお体の「本来の状態」ではないということです。
除草剤を撒き続ければ、土の中にいる大切な微生物までいなくなり、土壌そのものが痩せ細ってしまいます。
人工的な栄養に頼り切った木は、見た目は立派に見えても、自らの力で根を張り、季節の嵐に耐える強さを失ってしまうかもしれません。
たとえ多少の症状があっても、根本にある大木の成長には影響を与えず、あなたが「楽しみ(果実)」を心から味わい、笑って過ごせるような状態を目指して土壌を整えていく事が大切だと考えています。

土壌がふっくらと整い、「生命力という大木」にコンコンと栄養が流れ、趣味や仕事、家族との時間といった「人生の楽しみや幸せ(果実)」が、たわわに実っていれば、多少の不調すらも「自分の一部」として受け入れられるほどの心の余裕が出てきます。

定期的に土を耕し、水路を掃除し続けることで、栄養が正しく大木へと行き渡るようにお手伝いしたいのです。
それが結果的に、5年後、10年後も、あなたがあなたらしく、生き生きと実り豊かな人生を楽しんでいくための「最高の自分への投資」になると信じているからです。
そんな、しなやかで力強いお体を、時間をかけて一緒に育てていきませんか?

「いつものあなた」を知っているから、小さな変化に気づけます

私が継続してお体を診せていただきたいと願う一番の理由は、あなたの「いつもの土壌(お体の状態)」を把握しておきたいからです。
定期的に土を耕し、お体との対話を重ねていると、ご本人も気づかないような微細な変化を脈やお腹から感じ取ることができます。
「あれ、今日の水の流れ(脈)は、いつもと少し違うな……」
そんな小さな違和感にいち早く気づくことができれば、大きな岩(邪)が埋まって水路が塞がれる前に、あるいは雑草(症状)が生い茂る前の段階で、優しく整えてあげることができます。
これが、東洋医学で大切にされている「未病治(病になる前に防ぐ)」という知恵です。

あなたが本当に求めているのは、どちらの未来ですか?

当院が大切にしているのは、不自然な力で無理やり変えることではなく、「生命力という大木」が、自分の力で大地に根を張り、自然なリズムで呼吸できる状態を取り戻すことです。

  • 薬で感覚を麻痺させて、無理をして走り続ける毎日。
  • 土壌を整え、自分の内側から湧き上がる元気で、軽やかに過ごす毎日。

どちらが正解ということはありません。

ですが、もしあなたが「そろそろ、自分自身の力を信じてお体を立て直したい」と感じたのなら、全力でお手伝いをさせていただきます。

無理に継続を強いることはいたしません。

回数券であなたを縛ることもありません。

ただ、お体との対話を重ねる中で、『あ、今、自分の「生命力という大木」が本来の力を取り戻してきているな』という確かな手応えを感じていただけたとき。
あるいは、『なんだかいつもと土の状態(お体の調子)が違うな』という小さなサインに気づいたとき。
そんな、あなたにとって治療の価値を感じてくださったタイミングで、自然な流れでお越しいただければ幸いです。
あなたが5年後、10年後も、『この体で生きていて良かった』と思える豊かな果実を実らせるために。
その一歩を、ここから一緒に始めていきましょう。

当院でよくご相談頂くお悩み

  • お顔のお悩み
    お顔の様々なお悩みに関してまとめました。美容鍼ではなく、通常の治療で対応出来るものもございます。
  • 不妊のお悩み
    不妊や妊活のお悩みに関して、当院ではどのように考えているかをまとめました。
  • むずむず脚症候群(レストレスレッグス症候群)
    あまり聞きなれないかも知れません。実はこの症状に私自身悩まされています。どういった症状の事を指すのか、私が感じる自覚症状踏まえてまとめています。
  • 食欲・お通じ・睡眠のお悩み
    日常生活を快適に過ごす上で『食欲・便通・睡眠』は、とても大切なものです。自然治癒力と密接な関係があるので、どんな症状で来院された方にもお尋ねする項目です。
  • 心の病(うつ病、精神疾患)
    「心の病」と言っても、「適応障害」や「躁うつ病」など病名がつくものだけではありません。東洋医学の『心身一如』という考え方を踏まえてまとめています。
  • 肩こり・腰痛
    肩こり・腰痛のお悩みは程度の違いはあれ、非常に多いです。東洋医学の視点ではどのように捉えるのかをまとめています。
  • 自律神経のお悩み
    具体的な症状を挙げきれない程、人によって症状の出方が様々なのが自律神経失調症です。東洋医学の視点でお体を診る事が大事になってきます。
  • 生理(月経)のお悩み
    一番のお悩みにはならないが、少なからず不快な思いをしている…という方が非常に多い印象を受けます。東洋医学の視点でどのように捉えるのかをまとめています。
  • 頭痛のお悩み
    一定の条件で出るタイプのものから 常に頭を締め付けられているような感覚のものまで様々あります。東洋医学的の視点から頭痛を考えてみます。

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