今回は当院で行うお灸について詳しくお話していきます。
お灸をする目的
そもそも鍼灸院なのですから「鍼(はり)と灸(きゅう)をする所」というのはイメージ出来ているのではないかと思います。
では、鍼と灸はどのように使い分けているのでしょうか?
気血の記事の中で詳しくお話しています。
気血
鍼は気を動かし、灸は血を動かす
とありますね。
そもそもの目的が鍼と灸では違うのです。
更に鍼の打ち方は
- 目的によって鍼の太さを変えたり
- 素材(銀、ステンレス等)を変えたり
- 鍼を打つ角度を変えたり
します。
同様に、お灸にもやり方がいくつもあります。
当院では棒灸、知熱灸、透熱灸、台座灸を目的によって使い分けています。
棒灸
「棒灸」は主におへそに使用します。(へそ灸)モグサを棒状にした物に火をつけ、台座に差し込んで使用します。
直接肌に触れる事無く、心地よい温かさを感じると思います。
- 虚体(体の元気がない状態)の方
- 慢性的な冷えをお持ちの方
- 不妊治療をお望みの方
を中心に積極的に行います。
知熱灸
主に背中に使用します。モグサをピラミッド状に形を作り、線香を使って先端に火をつけます。
大体半分も行かない位まで燃えた所、ほわーんと温かい感じのところで取り除きます。人によっては全く熱さを感じない事もあります。火傷になる心配はございません。
主に腰、肩の症状が強い方におこないますが、背中の皮膚の状態を診て、それ以外のお悩みの方にも積極的に使用しています。
透熱灸
主に肘から先、膝から下の要穴(重要なツボ)に対して使用します。
米粒程の大きさに捻ったモグサに、線香で火をつけて大体8割程燃えた所で取り除きます。
知熱灸と比較すると熱さは感じやすいのですが、それでも想像するような熱さはない事が多いです。場合によっては最後まで燃やし、チクっと熱さを感じるまでする事もございますが、事前に必ず確認しますので少しでも熱いのが苦手な方は無理せず教えて下さい。
台座灸
主にご自宅でのセルフケアに利用して頂きます。
一度治療の中で使用して、脈の変化や熱さに問題がない事を確認します。
使用するツボによって熱さの感じ方にかなりバラつきがあります。
熱いのを我慢する必要はないので、途中で取り外しても大丈夫です。
また、全く熱さを感じない場合、再度同じ場所にやって頂く必要があるかも知れません。
その人に合った使い方をお伝え致します。
※当院でのお灸は、せんねん灸を使用しております。
せんねん灸セルフケアサポーターとしてご自宅でのせんねん灸を使ったセルフケアの提案をしております。
せんねん灸セルフケアサポーターページ
その人に合ったお灸
基本的には、その人に合ったお灸を選択します。
必要のない事はしません。お灸を過剰にすると灸あたりという症状が出る場合もございます。(だるさ、のぼせる感じ等)
もちろん、どんな感じか受けてみたいという事であれば、お気軽に相談下さい。
(特に棒灸は気持ちが良い物です。)
お体の状態を診て、大丈夫そうであれば体験頂けます。