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東洋医学

経絡って何?

今回は経絡についてお話したいと思います。
当院では「脉診流経絡治療」を行っているわけですが、一般の方からしたら「そもそも経絡って何?」という感じではないでしょうか。
東洋医学に関しての大まかなお話はこちらの投稿でしております。

東洋医学について

経絡とは

簡単に言うと、経絡は「気血が通る道のようなもの」という認識で良いと思います。
全身を経絡が巡っていて、その流れが滞ったり、弱くなったりすると体に不調が出るという風に考えるのですね。
それを調整するのが経絡治療となるわけです。
気血に関しては、コチラの記事を参考にして下さい。

気血

上の記事内でもお話ししていますが、気血の存在は現代医学的には明確に証明されている訳ではありません。
治療中に質問を受けた際には「血液のようなものの流れを整えている」という伝え方をする事が多いのですが、限られた時間の中で気血について正確に説明するのは難しいです。
それなのに「気血が通る道のようなもの」と言われても…と、お思いになるのはよくわかります。
ですが、私達経絡治療家は経絡という概念があるという前提の元、治療を行っています。

※現代医学的に経絡を解明するべく研究をされている先生方もいます。
色々な説が出てはいるのですが、あくまで一説です。
最新の研究の様子はわかりませんが、未だに明確な答えは出ていないというのが現状のようです。

全身を巡る経絡

さて、少し話は逸れてしまいましたが、もう少し経絡について掘り下げてみようと思います。
経絡は体全体をくまなく巡っていると考えています。

手太陰肺経

例えば上の図は肺経を表しています。
おじさんに線が描かれ、ツボの所に印がついているような形で表現されていますね。
これだけ見ると、線が描かれていない所は経絡が通っていないように見えますが、実際はそれぞれの経絡には幅と深さがあります。
つまりそれは決して皮膚や筋肉だけに留まらず、例えば内蔵や骨まで含めて全身をくまなく巡っているのです。

外経と内経

また、そもそも経絡には内経外経があります。

一般的にイメージするツボは外経上のものです。
上の図で言うと、中府というツボの所から外経になります。
体の中を巡っていた経絡が外に出てくる所ですね。
鍼灸の学校で肺経のツボの名前を覚える時は、中府から覚えていく場合が多いかと思います。

図で言う所の赤丸で囲んでいる部分は内経になります。
図では少しわかりにくいかも知れませんが、こちらは体の内部を巡っています。

そして、それぞれの経絡は単独で存在しているわけではなく、次の経絡に繋がっています。
肺経の次は大腸経、その次は胃経…と繋がっていき、最終的にまた肺経に戻ってきます。

つまり、皮膚上にあるツボに与えた刺激が経絡上を巡り、体の中にまで影響が伝わり、次の経絡にまでその影響が及ぶと、全身に影響を与えているという事が想像出来るのではないでしょうか。

臓腑を纏う

全身を巡る経絡は、それぞれが該当する臓腑を纏っています。
単純に肺経であれば肺を纏っていますし、大腸経であれば大腸を纏っています。

ここで気を付けて頂きたいのが、現代医学の臓器と同じものではないという事です。
確かに現代医学で言う肺と、東洋医学で言う肺はほとんど同じものを指していると思って頂いて差し支えないのですが、例えば東洋医学的に肺が虚の状態であっても、現代医学的に診た時に必ずしも肺の機能が落ちている、もしくは何らかの異常があるとはならないのです。

逆もまた同じで、現代医学的に肝機能に問題があるから東洋医学的に診ても肝に変動があるとは限らないのです。
この場合重要になるのは、肝機能障害によってどのような症状が出ているかの方が重要になります。これは問診として病症の経絡的弁別に繋がります。

感情を主る

また、東洋医学では臓腑はそれぞれ感情を主っているとも考えています。
イライラする、やる気が起きない、不安感に襲われる…等
これらは経絡の変動によって起こると考える事が出来ます。
そうすると、それぞれの経絡の巡る皮膚にわずかな左右差が出てきたり、わかりやすく発疹が出来たり、ガサついたりしてきます。
裏を返せば、そのわずかなな変化を感じ取り、調整する事が出来れば心の病も良くなると言う風に考えられますよね。

心の病(うつ病、精神疾患)

うつ病など病名がつくものに限らず、例えば「以前はこんなにイライラしなかったのに…」とか「些細な事でくよくよしてしまうようになった」等も、経絡の変動によって引き起こされる事は十分にあります
自己嫌悪に陥る前に是非ご相談下さい。

経絡に対しての補瀉調整

さて、ここまで経絡についてお話してきましたが気を付けて頂きたい事があります。

この症状=この経絡の変動
図式にはならないのです。
例えばネットで調べて、私にはこの症状があるからきっと肺が弱いんだ、肝が弱いんだと思われる方がいらっしゃいます。
所が、実際はもっと違う所が弱くなっていたりする事は多々あります。
わかりやすく症状として出ている臓腑が必ずしも一番変動があるとは限らないのです。

体質的な問題もあります。
昔から当たり前のように過ごしていたお体の状態は、当たり前になっていればいる程、大きな変化としては捉えられません。
新しく出てきていくつかの症状がどうしても頭に入ってしまいます。
そうなると、ネットで調べられるように単純にはなっていない場合があるのです。

こればかりは実際にお体を診て、見極めていく必要があります。
その為に経絡治療家は四診を行うのです。

四診について

四診を診て、どの経絡の変動かを見極めた上で、経絡に対しての補瀉調整を行います。
症状に対して行うものではないのです。
これを随証療法と言います。

随証療法について

経絡治療を受け続ける事

これはあくまで私のイメージですが、経絡治療を受け続けている方は、調子の平均点が上がります。
例えば年間を通して考えた時に毎年秋口に風邪を引く、季節の変わり目に風邪を引く、夏場はぐったりしてしまい外に出たくなくなる、冬場は気分が落ち込みがちになる等々…
季節によって様々な自覚症状を訴えていた方が、そう言われれば今年は例年より楽に過ごせていると気づく場面があります。

もちろん外邪に冒される事によって出ている症状が取れれば劇的に良くなる感覚もあるかと思います。
(外邪については別の記事でまとめる予定です)
しかしながら、経絡治療を受け続ける意義として考えて頂きたいのは、調子の平均点を向上させる事にあると思っています。
それは自然治癒力(生命力)の向上に直結するものになります。
コチラの記事にも是非目を通してみて下さい。

自然治癒力

長い目で見て、皆さんの好調の維持に関わっていけたらと思っております。

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