「病院で検査をしても『異常なし』と言われた。でも、やっぱり体はつらい……」
「周りの人からは『気のせいじゃない?』なんて言われて、行き場のない不安を感じている」
もしあなたが今、そんな思いを抱えているのなら、どうか一人で悩まないでください。
現代医学が「数値」で健康を判断する医学だとしたら、東洋医学は「あなたという人」そのものの状態で健康を判断する医学です。
当院では、あなたの脈やお腹に触れたり、お顔の色、声のトーンなどを丁寧に観察する「四診(ししん)」という診察を何よりも大切にしています。
それは、機械の検査データには表れない、あなた自身も気づいていない「体の本当の声」を五感を使って聴き取るための時間です。
「私のつらさは、気のせいじゃなかったんだ」 そう心から納得し、安心していただけることが、本来の健やかさを取り戻す第一歩になると考えています。
この記事では、当院がなぜ脈やお腹を診るのか、そしてそれによってあなたの心と体がどう整っていくのかを、東洋医学のやさしい視点でお話ししていきます。
四つの手段で、あなたの「今の状態」を教えてもらう
「四診(ししん)」というと何だか難しそうに聞こえますが、実はそんなに特別なことではありません。
例えるなら、いろいろな角度から「今のあなたの状態」を丁寧に教えてもらう作業のようなものです。
病院の診察では「どこが痛いですか?」というお話がメインになりますが、東洋医学ではそれだけではなく、視覚や聴覚、触覚といった「五感」のすべてを使って、あなた自身も気づいていない体のサインを探していきます。
- 目で見て、お顔の色や肌のツヤを拝見する(望診)
- 声のトーンや呼吸の音に耳を傾ける(聞診)
- お話を聞いて、生活やお悩みの背景を伺う(問診)
- 脈やお腹に触れて、体の芯の状態を確認する(切診)
これらを多角的に、そして丁寧に重ね合わせていくことで、「なぜ今、あなたの体がつらいのか」という理由が見えてくるだけでなく、あなたが本来の健やかさに戻るための「心地よい方向」が少しずつ形になっていくのです。

まずは、「目で見る診察(望診)」からお伝えしますね。
望診:お顔の色やツヤに表れる「お体のサイン」
「望診(ぼうしん)」とは、お顔や肌の色や表情、お体の動きなどを「視て」診察することです。
東洋医学では、お顔の色から「今はどこが頑張りすぎているかな?」「どこに元気が足りないかな?」という傾向を読み取っていきます。
例えば、お顔に少し赤みがあれば「少し熱がこもっているかな」、青白ければ「血(けつ)が足りていないかな」といった具合です。
といっても、これは決して「顔色が悪いからダメだ」と判断するためのものではありません。
- 今のあなたのエネルギーが、どこで滞っているか
- どのツボを整えてあげれば、体が楽になるか
そんな「今のあなたのコンディション」を優しく確認しているような感覚です。
お化粧をされていて、顔色の具合がわからなくても、お顔の表情や、力の入り具合でわかる事もあります。
お顔だけでなく、実は『腕の内側』も大切な判断材料です。
ここは一年中、日焼けしにくく、お体本来の肌の状態が一番現れやすい場所だからです。
例えば、一見白く見えても、よく見るとうっすら赤みがあったり、青白かったり……。
その微細な色の変化から、肺や肝といった体の内側の五臓の状態を予測しています。
「最近、鏡を見ると疲れて見えるな……」 もしそう感じるとしたら、それはお体の中の気血(きけつ)の巡りが「少し休んで」とサインを出しているのかもしれません。
聞診:声の響きや呼吸の音から、体の「リズム」を感じ取る
「聞診(ぶんしん)」は、その名の通り、あなたの状態を「聞いて」確認する診察です。
といっても、お話の内容だけを聞くのではありません。
声のトーンが明るいか、少し低めか、あるいは呼吸が浅くなっていないか……といった「音の響き」に耳を傾けます。
東洋医学では、声の出方にもお体の状態が現れると考えます。
- ハキハキと通る声であれば、エネルギーが外に向かっているサイン
- どこか歌うようなリズムのある話し方であれば、胃腸などの「土(つち)」のバランスが関係しているサイン
など、いくつかの傾向があります。
ここで私たちが一番大切にしているのは、「普段のあなたと比べてどうか」ということです。
東洋医学では、声の出し方を5つのリズム(五声)に分類します。
例えば、誰かを呼んでいるような『大きく通る声』、歌うような『抑揚のある話し方』などです。
これは性格だけでなく、今のエネルギーがどこに集中しているかを教えてくれます。
「なんだか最近、声に力が入らないな」 「ため息が自然と増えて、呼吸が苦しい感じがする」
そんな変化は、お体の中のエネルギー(気)がスムーズに巡っていないという、体からの小さなSOSかもしれません。
治療を続けていくうちに、声にハリが出てきたり、呼吸が深く吸えるようになったりすることがあります。
それは、あなたの自然治癒力がしっかりと目を覚まし、心と体のリズムが整い始めた嬉しい証拠でもあります。
(※ちなみに、東洋医学では「におい」を確認することも聞診に含まれますが、現代では香水や柔軟剤などの影響も多いため、当院では特に、声や呼吸から伝わる今のあなたの勢いを大切に受け止めています)
問診:症状だけでなく、あなたの「生活」を教えてください
病院でも「どこが痛いですか?」と聞かれる問診ですが、当院では少し違った視点でお話を伺います。
もちろん、今一番つらい症状(主訴)の経過は大切です。
ですが、それと同じくらい大切にしているのが、「食欲・お通じ・睡眠」という、一見関係なさそうな毎日のリズムです。
- 「最近、あまりお腹が空かないな」
- 「夜中にパッと目が覚めてしまう」
- 「お通じがスッキリしない日が続いている」
これらは、お体自身の自然治癒力が、今どれくらい働けているかを知るための、とても重要なヒントになります。
また、言葉にしにくい「心の揺らぎ」や、なんとなく感じる不安なども、遠慮なくお話しください。
東洋医学には「心身一如(しんしんいちにょ)」という言葉があり、心と体は一つに繋がっていると考えます。
お悩みをお話しいただくことで、あなた自身も気づいていない「不調の根本的な原因」が見えてくることもあります。
これらはお悩みの症状と別に考えている方が非常に多いのですが、よくよくお話を聞いてみると、「症状が出始めた頃から食欲が落ちている。」もしくは「食欲が急激に増している。」という事が多々あります。
便通や睡眠に関しても同じように変化が出ています。
このようにお体の事を尋ねていくと、どの経絡に問題があるのかがわかってきます。
そして、最後に行う切診に繋げていくのです。
切診:脈やお腹に触れて、「体の声」を聞く
最後に行うのが、実際にあなたのお体に触れる「切診(せっしん)」です。
これには、手首の脈を診る「脈診(みゃくしん)」や、お腹の状態を確認する「腹診(ふくしん)」が含まれます。
「脈を診て何がわかるの?」と不思議に思われるかもしれません。
東洋医学の脈診は、単にドクドクという速さを測るものではありません。
指を軽く当てた時に触れる『浮いている脈』か、グッと押し込まないと触れない『沈んでいる脈』か。
あるいは、ベチャッと潰れるような脈か、ピンと張った糸のような脈か……。
その『感触の組み合わせ』が、今日あなたに打つべき一鍼の場所(証)を決定する、最後の決め手になります。
また、お腹に触れるのも、内臓の病気を見つけるためではなく、皮膚のツヤや弾力、温度などを通じて、お体全体のバランスを確認するためです。
例えば、おへその周りが突っ張っている、脇腹がザラついているといった反応は、特定の経絡のエネルギーが滞っているサインです。
この「切診」は、当院のやさしい鍼を行うための最も大切な準備です。
脈やお腹の状態に合わせて、その時、その瞬間のあなたに最も心地よい状態に導くべく、治療方針を組み立てていきます。
「お体の声」に耳を傾けて、心地よい方向へ
目で見て、声を聞き、お話を伺い、そして体に触れる。
この四つの視点からあなたを多角的に捉えるのは、「正解の病名」を見つけ出すためではありません。
「なぜ今、あなたの体がつらいのか」 その理由をあなたと一緒に見つけ出し、あなたの心と体が、本来の健やかさに向かって「自然と楽に流れていける方向」を探すための作業です。
東洋医学の診察(四診)は、カチッと一つの答えを出すものではなく、今のあなたにとっての「ちょうどいい心地よさ」を見極めるための大切なコミュニケーションだと思っています。
治療が進むにつれて、脈が整い、お腹の緊張がふっと緩んでくる。
お体の「ブレーキ」が外れて、あなた本来の「整う力(自然治癒力)」がしっかりと動き始めた嬉しいサインです。
「自分の体なのに、どうしてこんなに調子が悪いのかわからない」 そんな行き場のない不安を抱えている方も、まずは一度、お体の声を聴かせてください。
一緒に、あなたが一番楽になれる「ちょうどいい」を探していきましょう。
当院でよくご相談頂くお悩み
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