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治療について

随証療法について

当院で行う脉診流経絡治療は「病名治療」でも「刺激針」でもなく『随証療法』になります。
今回は『随証療法(ずいしょうりょうほう)』についてお話していきたいと思います。
東洋医学の基本的な考え方に関しては、以下の投稿にまとめてあります。

東洋医学について

随証療法とは

まずは経絡治療家が読む『わかりやすい経絡治療』に書いてある経絡治療の定義を抜粋します。

「病体を気血の変動として統一的に観察し、全ての病変を経絡の虚実とし、その主たる変動経絡を主証として把握し、経穴をこれが診断と治療の場として鍼灸を以て補瀉調整し、生命力の強化を図る随証療法」

経絡って何?

経絡に関してはこちらの投稿でもまとめてあります。

何となく「証が大事なものなのかな?」というのは伝わったでしょうか。
では、「証に随う」為にまずは証を決めなくてはなりません。

証を立てる

お体の状態を把握する為に、四診は欠かせないものです。
詳しくは四診についてをご覧ください。

四診について

四診について、こちらでも簡単に説明したいと思います。
まず把握する必要があるのは今のお体の状態と、お悩みの症状の状態です。

  1. 今の症状がどういった過程で出たのか
  2. どんな時に症状は強くなるのか
  3. 症状が出始めてどれくらい経過しているのか
  4. 手足の冷えやのぼせ感はないか
  5. 食欲・睡眠・便通の調子はどうか
  6. 慢性的に感じている他の症状はないか

等々…他にも必要に応じてお体の事を詳しくお聞きします。
そしてそれに伴って今お体はどんな状態にあるのかを、
手足、お腹、脈など、お体全体をよく観察して確認します。
皮膚の張り感が左右で違っていたり、お腹の下の方だけ冷えていたり、押されると左右で痛みの違いがあったりと、自分では気づいてない反応が出ているものです。
お話の内容、実際に体に触れての確認を総合的に考えます
そうすると、例えば
「この人は肝に通じている経絡が滞っている事によって、体の釣り合いが取れなくなっている」
というように、今お体がどのような状態になっているのかがわかります。
そして、この状態を良くするには、どこのツボにどのような目的の鍼をすれば良いのかを考えます。これを「証(あかし・しょう)を立てる」と言います。

証が立てば、あとは決まったツボに鍼をすれば良いというものではありません。
その人のお体の状態に合った鍼をする必要があるからです。
敏感そうな人であれば、鍼はより細く、もしくは「てい鍼」を使う必要があります。
鍼の角度も気を付けなくてはなりません。
更に言えば、どれくらい鍼を接触させ続ける必要があるのかまで考える必要があります。
一鍼しては、ちゃんと良い方向に向かっているかどうかを四診を通して確認しながら治療を進めていきます。
鍼の詳しい打ち方に関しては、以下の投稿で説明しております。

鍼って本当に痛くないの?

同病異治、異病同治

証を立てるという事は、「このお悩みには、この証が立つ」という単純なものではありません。
お悩みの種類によって「この証が立ちやすい」という傾向はありますが、それも人によってバラバラです。
これを同病異治と言います。
同じ病でも治し方は異なる」という意味です。

それとは逆に、全然違うお悩みでも、証は同じになる場合もあります。
これを異病同治と言います。
例え同じように体の釣り合いを崩しても、出てくる症状は人によって違うという事です。

なぜ随証療法が必要なのか

「病名」や肩こり腰痛などの「気になる部分」に対して行う治療では、結局その場しのぎで繰り返しになってしまう事が大半です。
一見筋が通っていそうな姿勢の話や、骨盤矯正の話が話題に上がる事もありますが、結局それは人間の体をみんな同じように捉えているんだなぁと感じてしまいます。
10人いれば、10通りの過ごしやすい体の状態があるはずです。

証に随った治療を続けていると、「その人に合った体」になっていきます。
これは「それぞれの価値観の健康」に近づくものだと思っております。
多様性が叫ばれている現代において、まさに東洋医学の視点こそが必要だと実感しています。

お悩みの症状や病名に、どうしても意識は行きがちです。
しかし、自分の体全体に意識を向けると、違った答えが出てくるかも知れません。
鍼とお灸を使って、お手伝いさせて頂きます。

当院でよくご相談頂くお悩み

  • お顔のお悩み
    お顔の様々なお悩みに関してまとめました。美容鍼ではなく、通常の治療で対応出来るものもございます。
  • 不妊のお悩み
    不妊のお悩みに関して、当院ではどのように考えているかをまとめました。
  • むずむず脚症候群(レストレスレッグス症候群)
    あまり聞きなれないかも知れません。実はこの症状に私自身悩まされています。どういった症状の事を指すのか、私が感じる自覚症状踏まえてまとめています。
  • 食欲・お通じ・睡眠のお悩み
    日常生活を快適に過ごす上で『食欲・便通・睡眠』は、とても大切なものです。自然治癒力と密接な関係があるので、どんな症状で来院された方にもお尋ねする項目です。
  • 心の病(うつ病、精神疾患)
    「心の病」と言っても、「適応障害」や「躁うつ病」など病名がつくものだけではありません。東洋医学の『心身一如』という考え方を踏まえてまとめています。
  • 肩こり・腰痛
    肩こり・腰痛のお悩みは程度の違いはあれ、非常に多いです。東洋医学の視点ではどのように捉えるのかをまとめています。
  • 自律神経のお悩み
    具体的な症状を挙げきれない程、人によって症状の出方が様々なのが自律神経失調症です。東洋医学の視点でお体を診る事が大事になってきます。
  • 生理(月経)のお悩み
    一番のお悩みにはならないが、少なからず不快な思いをしている…という方が非常に多い印象を受けます。東洋医学の視点でどのように捉えるのかをまとめています。
  • 頭痛のお悩み
    一定の条件で出るタイプのものから 常に頭を締め付けられているような感覚のものまで様々あります。東洋医学的の視点から頭痛を考えてみます。

予約に関しては以下の投稿をご確認下さい

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