心の病で通院されている方へ
メンタル系の薬は飲み始めると止める事が困難な方が多いです。
それどころか副作用に対しての薬が出され、どんどん薬の種類や量が増えてくる事もございます。
減薬どころか一生薬を飲み続けるのかと不安になってきます。
これはどこかで断ち切らなくてはと、考えれば考えるほどメンタルは落ち込む傾向にあります。
どうか焦らないで下さい。
減薬し、最終的には薬を完全に断ち切る必要がありますが焦って頑張りすぎると 逆に負担をかけて離脱症状が出る事もございます。
実際に減薬をする際は通院されている病院で相談しながら慎重に進めていく事が大切です。
三歩進んで二歩下がる位の心の持ちようで減薬していけるのがベストだと考えております。
了承頂けた患者さんの症例を載せます。
減薬をお考えの方は一例として、是非一度目を通してみてください。
精神疾患症例(20代女性)
主なお悩み
- 精神疾患(PTSD、うつ病、摂食障害)
- 右頚部から腕、指先にかけてのシビレ
- 偏頭痛、めまい
- 睡眠障害
- 慢性下痢
- 腰、膝痛・・・等
かなり多岐に渡って症状が出ている方です。
特に精神疾患に関しては10代の頃のトラウマが原因で、現在に至るまで大変苦労をされています。
それぞれの症状に対して病院で薬を処方されています。
日によって違いはあるようですが、一日に飲む薬の量もかなり多いようです。
特に痛み止めに関しては、効く時と効かない時があるが、飲まないと不安だから飲んでいるというような状態でした。
東洋医学的所見
脈はとても沈んでいて遅、虚を表していました。
六部定位で判断するのは難しく、初診の段階では主に腹診・切経に重きを置きました。
病症と、切経、腹診を踏まえて、初回の証は腎脾相剋と診て治療しました。
治療経過
毎回治療後は全体的に体が軽くなる感じがするとおっしゃるのですが、その日の夜や、翌日には症状は戻っているような状態が続いていました。
また、精神的に負担のかかる事(過去のトラウマを連想させるような事や、カウンセリングを受けた後等)があると、特に症状は悪化するようです。
治療に通われるようになってしばらくしたある時、丸一日近く薬を飲んでいない状態で来院された日がありました。 首から腕にかけてのシビレは普段よりも強い状態でしたが、薬を飲んでない状態で診てもらおうと思って下さり、我慢なさったそうです。
脈はいつも通り沈んではいるものの、いつもと違い脈の表面に邪が触れる感覚があり、脈状は沈、やや数、虚。
これまではっきりしなかった陰の脈がしっかりと虚実を分けられる程度には診られる状態になっていました。
普段飲んでいる薬が体に与える影響の強さを再認識出来ました。
鍼灸治療後は、いつもと同じくらいの状態にまで回復したのでその日はお薬を我慢出来そうだったら飲まずに様子見をしてみて下さいとお伝えしました。
その日の夜、再びシビレの症状が強く出たようですが、薬はなんとか我慢出来たようで、翌日いつもより早い時間にいらして頂きました。
その後は普段通りの状態に安定しました。
それ以降、治療に来られる日は極力薬は飲まないようにし、来られない日も無理のない範囲で薬は我慢する方向で進めています。
特に頭痛の予防薬などは極力飲まない方向でお願いしております。
その後、ご本人が自覚している最近の変化は
- 以前よりも皮膚の状態が整っている。(ガサつき、足裏のタコの減少)
- 免疫力が上がってきている(風邪を引きにくくなくなった、引いてもすぐ良くなる)
- 摂食障害の頻度が減っている。
まだまだ症状はたくさんありますし、根本的な回復には時間がかかるものとお伝えし、継続して治療に通ってもらっている段階です。
ご自宅でのセルフケアとして、お灸も継続して行ってもらっています。
概ね良い方向で進んでいる事は間違いなさそうです。
今回の症例についての総括
精神疾患を抱えている患者さんの多くは減薬を望んでいると思います。
しかし、自己判断での減薬は離脱症状が伴う可能性もあるので非常に危険です。
処方されている病院でよく相談しながらの減薬が必要です。
しかし、今回の症例のように鍼灸治療を継続していく中で、自然と薬に頼らなくても何とかなるかも?と思えるタイミングが出てくる可能性がございます。
そのタイミングは一概にどの位でと表すのは難しいものですが、根気強く通って頂いて出たひとつの成果として発表させて頂きました。
※補足
ひとつ誤解されない為に補足しておくと、薬全てが悪という事ではございません。
しかし、本当に体にとって必要な物なのか、常に疑問を抱いて頂けるとお体にかかる負担は変わってきます。
例えば、強い薬によって起こる副作用を抑える為の薬。
これは気を付けないと今回の症例の患者さんのように、どんどん薬の量が増えていく傾向があります。
どうしても体にとって必要な薬を摂りつつ、副作用に対しての鍼灸治療を継続していくという選択肢もございます。
まずはご相談だけでも結構ですので、お気軽にどうぞ。
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